この夏、映画を見始めて以来、何を見たのやら、内容はおろかタイトルすらどんどん忘れていっております。
なので、比較的最近のものから。
『スラムドッグ・ミリオネア』
★★★★★
これは見てからひと月以上経つんですが、良かった!ということは鮮明に覚えていますよ。
一時期話題になったボリウッド製のインド映画は一切未見ですが、たぶんインド映画というのとは全然違うんでしょう。いや、イギリス映画だし。
まずインド人のスラム育ちの少年が主人公というところがイイ。
欧米の映画に出てくる非欧米人というと、「近代文明の啓蒙を受けていない哀れな愚か者」はさすがになくなったとしても、ちょっと前まで「われわれ(欧米人)には理解不能な連中」だったり、良くて「われわれ(欧米人)が失ったかもしれない価値(異文化)を生きる“彼ら”」として描かれがちだったわけで。
でも、これは「わたしたち」の物語なんだよね。インドのスラム街でこずき回されながら、なんとか生き延びようとする子供たちが、手に汗握って感情移入する対象なんです。
インド人外交官(にして作家)による原作を、『フル・モンティ』の脚本家が書いたそうで。ちなみにあたくし『フル・モンティ』は大好きです。
ま、あれこれゴタクを並べなくても、主人公ジャマールの波瀾万丈人生をハラハラと見守らずにはいられません。
ジャマールたちの境遇は悲惨なんだけど悲壮感がない、お涙ちょうだいでもヒューマニズム過多でもないところがすばらしい。だから、かわいそうな「彼ら」にならないんだよね、きっと。
ミリオネア司会者が、インド版「みのもんた」なのもおもしろす。
エンドロールも憎いよ!
『ミリオンダラー・ベイビー』
★★★★
これは本日というか、さっき見ました。
この夏DVDで映画を見るようになってから、見終わると速攻でググるくせがついていたんですが、もうやめた方が良いかな、と。少なくとも不特定多数のレビューは見ない方が良いかも。
尊厳死の問題がどうとか、延命医療のくだりが事実に反しているとか、ボクシングの場面が不正確だとか、イーストウッドかっこつけすぎとか、人物にリアリティが無いとか、とかとか。
そういうことはどうでもいいんじゃね? と思うんですよ。
『スラムドッグ・ミリオネア』もそうだけど、おとぎ話なんだから。
物語として際立っていればいい。
(でもまぁ、際立たせるためのリアリティでもあるんだけど。医療関係者だったりボクシング関係者だったりすれば、興ざめなんだろうな〜とは思います。アテクシにとっての不正確な犬の表現みたいに)
これはね、ある絆の物語なんだよね。
それ以上でもそれ以下でもないし、それで十分。
あ、ちなみに女性ボクサーと老トレーナーのお話です。
それにしてもボクサー役の人の肉体改造(細い→マッチョ→衰弱)がお見事。
※後から思うに、『スラムドッグ〜』と比べると「もう一度見たい」度が低い気がして、★減らしました。でもよくできた映画なのは確かです。
以上2作で合計200万ドル…ってなわけでした→本日のタイトル。
で、イーストウッドつながりでおまけ↓
『ミスティック・リバー』
★★★
これは昨日見た、同じくクリント・イーストウッド御大の監督作品です。
じつはイーストウッドの監督作品はぜんぜん見ていなかったんですが、うまいなぁ〜。
無駄が無くて、嫌味が無くて。
ただ、これ、いちおうミステリに分類されていたんだけど、ちょっと違うよね。
っていうか、ミステリとしてはイマイチです。いや、もともとミステリとかサスペンスとして作られたわけじゃないんですよね、きっと。人間ドラマのようではあるんだけど、じつはラストがじつに理不尽なんですよ。「はぁ?」って感じで。
で、ググって見つけたこの方のレビューでなるほどと。
http://plaza.rakuten.co.jp/mirai/diary/200411130000/
政治批判的メタファーと言われると、ああいうラストになる理由もわかるんですが。
ただ、政治批判にしては甘い。
っていうか、批判するならこんなミステリ好きを変に期待させるような(なまじ出来がいいので始末が悪い)回りくどいことをしないで、もっとはっきり社会派にすればいいのに。
そこが共和党員イーストウッドの限界…という見方は穿ち過ぎかにゃ。
ミリオンダラー・ベイビーの方がずっと好きですね。
【備忘録】
11月13日(土)
父の遠い親戚であるご婦人が杉並在住の娘さんとご来訪。
ご本人は九州在住の大正14年生まれ。お一人様で飛行機に乗っていらっさりました。
携帯メールも使いこなされるそうです。見習いたいものです。
わがパパりんも、がんばって応対しておりました。
ダリ殿下はやたら興奮なさって口数が多く、やむなくキッチンに幽閉の身となりませり。
これは10月の写真です↓
2010年10月11日
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